代表取締役 水谷 康朗
株式会社水谷精機工作所
DXを通じて懇意になった顧客に対し、ルーツでもあるものづくりの営業もさせてもらえばと考えています
株式会社水谷精機工作所

URL 

https://www.mizutani-seiki.com/

 

所在地

〒511‐0002

三重県桑名市福島750番地

TEL 0594-22-0337

 

設立

昭和14年

 

資本金

1,200万円

 

従業員数

50名(令和5年4月現在)

 

業務内容

機械設備設計製作

精密機械加工

VR機器開発・販売

 

DXサービス一覧

・バーチャルマイスター

(製作しない試作)

・リモートマイスター

(高画質遠隔支援システム)

・デジタルツイン

(バーチャル工場・バーチャル商店街)

・リモート社会見学

・TAマイスター

(工場画像の長期保存による品質保証)

・工場の見える化サービス

・3Dシミュレーション動画製作

・コミュニケーションDX

(デジタルホワイトボードの販売、活用支援)

・3DCADの販売、活用支援



ものづくりの精神をDXにも活かす試み
新規事業に取り組むチャレンジ精神が原動力

株式会社水谷精機工作所

代表取締役 水谷 康朗


 1939年に創業し、約85年の歴史を積み重ねてきた水谷精機工作所。創業者の時代から、図面を引いて産業機械を製作するという職人気質のものづくりを真っすぐに続けてきた老舗の企業だ。現在も高い精度の機械加工と機械設備の設計製作が事業の柱である。

 現社長の水谷康朗氏は3代目で、長年培ってきた技術力を活かして、VR(バーチャルリアリティ)やDX(デジタルトランスフォーメーション)など新しい分野の開拓にも積極的に取り組んでいる。既存の事業を維持しながら新規顧客の獲得も同時に推し進めるという、柔軟な思考や発想が特長だ。

 勤続60年以上という熟練工も現役で活躍する一方、外部から専門知識を持った新しい人材を採用しデジタルの新規事業にも力を入れている。温故知新とでも言うべき経営のバランス感覚が強みになっている。

 2017年より本格的にVRに取り組み、試行錯誤を続け2021年には見事、製品化にこぎ着けた。名称は「バーチャルマイスター」。「製作しない試作」と呼んでいるが、これは3D(3次元)のCADデータを立体的な画像に変換するシステムだ。従来の設計製作では、図面から三次元の試作品を作る必要があった。このシステムを使えば実際に製作する前にVRにより立体的に試作品をチェックすることが可能になる。試作前に検証できることで試作を減らすことが可能となり、手間とコストを削減できる訳だ。

現在では、このVRシステムは机上のデスクトップの画面をはじめ、4面のプロジェクション(投影映像)型、360度の全方位から裸眼で見る事の出来るバーチャルピラミッド型へとバリエーションも増え、着実に進化している。

 2022年には「DX事業部」を立ち上げ、「DXマイスター」という商標も登録した。現在は「マシンマイスター」の商標も出願中だ。

 高い技術を持つ熟練の職人、時代の変化に合わせた柔軟な思考、蓄積されてきたノウハウ――こうした自社の強みを最大限活かすために必要なのは人材だと水谷代表は考えている。技術の継承はもちろんのこと、外部に優秀な人材を求め、新たにDX事業部を立ち上げたのもその一環と言える。

 VRなどデジタル技術に積極的に取り組んでいる波及効果だろうか、最近は大学生など若い人材が集まってくるようになった。人不足と言われる昨今だが、前向きで将来有望な若い人材が育ち始めている。

 老練なベテラン社員と、やる気に満ちた新人、途中入社のスタッフも新規分野を支えている。伝統のものづくりの良いところを継承しつつ、時代に適応した新しい事業も育てていく。こうした両面の経営が同社の柔軟性、先進性を支えているようだ。

 

(文章一部抜粋、完全版は書籍をご覧ください)