理事長 荒井 秀典
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
我々のミッションは、研究成果を国への政策提言に繋げて、それを社会に実装させていくことだと考えています
https://www.ncgg.go.jp
所在地
〒474-8511
愛知県大府市森岡町7-430
TEL 0562-46-2311
アクセス
JR 東海道本線「大府」駅より知多バス「長寿医療研究センター」停留所
大府市循環バス「長寿医療研究センター」停留所
JR 武豊線「緒川」駅より東浦町運行バス「長寿医療研究センター」停留所
設立
2004 年
診療科目
老年内科、代謝内科、血液内科、精神科、脳神経内科、呼吸器内科など
診療受付時間
〈月~金〉8:30 ~ 11:00
〈定休日〉土・日・祝
理念
私たちは高齢者の心と体の自立を促進し、健康長寿社会の構築に貢献します。
新しい治療方法を医療の現場に導入させていく使命
国立長寿医療研究センターの荒井秀典理事長は3代目。初代、2代目が築いてきた組織をさらに発展させる一方で、自身の専門分野であるフレイルやサルコペニアなど新たな分野も充実させようとしている。研究・開発を形にして実際に医療の現場で採用できるよう、その実現をサポートしていくことが重要な役割だと考えている。
同センターの特筆すべき点として、「ナショナルセンターとしての高齢者医療の病院であると同時に、医療や疫学の研究、ゲノム、ロボット工学系の研究と幅広い分野を網羅している点」だと話す。患者の診察と治療に加え、高齢者医療に関する研究開発も担うという多様な専門性とでも言おうか。各カテゴリーはそれぞれセンターとして組織化されており、研究の深掘りができる環境が整っている。
「MCI」(軽度認知障害)の臨床試験では、多因子介入という薬を使わない新たな治療方法を試みた。AMEDから資金援助を受けて2019年から始めた。2023年オランダで開催された学会で発表し、肯定的な反応が多かったという。
「MCIの薬は承認されましたが、投薬治療はどうしてもコストがかかるのが難点。その点、この多因子介入の方法なら投薬の必要もありませんし、ずっと安いコストで治療を提供することができます」
他にも、「摂食嚥下・排泄センター」を立ち上げた。「食事はお年寄りの楽しみでもあるし、フレイルや認知症の予防にも繋げる重要な行為です。摂食嚥下だけでなく排泄までをトータルでカバーする必要があると考えました」
関わる担当医は実に幅広い。老年内科に加え、耳鼻科や口腔外科・歯科、リハビリ科、消化器科、泌尿器科、皮膚科など、摂食・嚥下・排泄に関わる科目の医師が勢ぞろいする。
こうした試みには海外の医師も興味を持っており、研修を受けに同センターを訪れているケースもあるという。これは荒井理事長自身のネットワークが実現させたことで、10年以上前からアジアの知り合いの教授たちと一緒に、若い世代の老年医学の医師を育成する取り組みなどを進めてきた背景がある。
日本国内の老年内科は20数年来、その数と規模が漸減してきたと指摘する荒井理事長。効率化が優先され、患者のニーズとのミスマッチが起きている面もある。
「センターの2大看板は、認知症とフレイル。現状、フレイル対策を講じながら健康寿命の延伸を目指している医療機関はほとんどないと思います。少しでも多く、それを実現できる提言をし、国の施策に反映させたいという想いがあります」
健康寿命をどれだけ延ばせるかという命題への、荒井理事長の挑戦は続く。
(文章一部抜粋、完全版は書籍をご覧ください)